歯周病治療とは 2016年3月14日 最終更新日時 : 2024年6月2日 hayakawa-dc 歯周病とは むし歯と同様,歯を失う原因の一つに多くの人がかかる病気として歯周病があります.歯の表面に付着したプラーク(歯垢)は細菌の塊で,むし歯ばかりではなく歯肉の炎症(腫れや出血),歯石や歯周ポケットの形成,歯根の表面の汚染など歯周病の原因になります.さらに,歯を支えている骨(歯槽骨)まで炎症が広がると骨が溶けてしまい,歯を支えることができなくなり最終的には歯が抜けてしまいます。 健康な歯 歯肉炎 歯肉炎の初期であリ、 炎症が歯肉に限局している 軽度歯周炎 歯茎が腫れ、出血することもある 中等度歯周炎 炎症が進み、骨の吸収が進んでいる 高度度歯周炎 病変が進み、 ほとんど骨が吸収している このような症状の方は要注意です!●朝おきるとき口の中が臭い。●歯ブラシを使うと歯ぐきから血が出る。●歯ぐきが赤く腫れている。●冷たいもの、熱いものが歯にしみる。●歯がぐらぐらしてくる。●歯ぐきが盛り上かって歯にかぶさってくる。あるいは歯ぐきが退縮して歯の根が出てくる。 歯周病になったらまず・・・治療法としては、ブラッシングや歯間ブラシ、デンタル・フロスを使用してプラークを除去することや,歯石の除去(スケーリング)、汚染された根面(根の表面)の滑沢化(ルート・プレーニング)がおもな処置ですが,より深い歯周ポケットができてしまった場合などは外科的処置も必要になります。同時に歯に対する力の調整(噛み合わせの調整やぐらぐらする歯をつないで揺れを少なくする処置)も行います。生活習慣,年齢との関係も深い病気ですので、自分自身のセルフ・ケアはもちろん、定期的な検診や歯科医師や歯科衛生士によるプロフェッショナル・ケアも必要になり、歯周病は、長い目でみて考えていくことが大切です。 歯周病の患者様の2年間の変化 歯周病の患者さん2年間の変化です。歯周病の処置は,患者さん自身のブラッシングなどのセルフ・ケアと歯科医師と歯科衛生士によるスケーリング、ルート・プレーニングとプロフェッショナル・ケアを行いました。 治療前 2年後治療後 初診の状態です。下顎前歯に大きな歯石がついて、そのまわりの歯肉は赤く腫れあがっています。内側にも全体的に歯石が多くついているのがわかります ブラッシング指導約2週間後の状態です。下顎前歯の歯石のまわりの歯肉の腫れや内側の歯石の縁の歯肉の色に変化がみられます。 前写真の歯石を除去した直後です。特に内側の歯石の下の歯肉は赤く腫れ,弱々しい状態がみられます。 歯石除去後2ヵ月目です。歯肉の状態がみちがえるほど回復してきました。患者さんのブラッシング状態もよく,セルフ・ケアのがんばりがうかがえます。 初診より2年後です.患者さんのセルフ・ケアと定期検診,歯科医師,歯科衛生士によるプロフェッショナル・ケアの結果,落ち着いた状態になっています.これからの経過が楽しみです 唾液検査 顕微鏡検査を用いて、患者様の口腔内のリスク検査をしていきます。